今回は建設コンサルタント会社の株式会社大隆設計を取材させていただきました。はじめに小村代表取締役にお話を伺います。
建設コンサルタントとありますが、具体的にはどんな業務をされていますか。
主なものは土木設計ですが、他にも環境調査や情報処理も行っています。 土木設計の中でも河川の設計については、当社の技術力が高く評価され、今年度を含め、3年連続で島根県知事から「優良業務知事表彰」を受賞しました。
3年連続とはすごいですね。大隆設計が提案される土木設計とはどんなものですか。
機能的であることはもちろんのこと、さらには環境と景観にも配慮しています。なかでも河川設計は、経験工学的な要素が多く、設計技術者個人の総合的判断(計算手法・歴史的経緯等)が必要です。単純に構造計算して答えがはっきりでるものではないところが、難しいところでもあり、設計技術が試される面白いところでもあります。
小村社長がこの建設コンサルタントの事業を始められた経緯を教えてください。
大学では地元島根大学で農業土木を専攻しました。在学中は学内紛争や父の入院などがあり、決して楽に卒業できたわけではありませんでした。そんななか卒業が迫ったとき、先輩から岡山に本社がある建築土木設計の会社を受けてみないかといわれ、松江支社に勤務したのがこの業界に入った始まりです。
入ってみていかがでしたか。
忙しかったがものすごくやりがいを感じました。入社当時の1970年代前半は田中角栄内閣の日本列島改造政策で、日本全国で公共工事が進められているころです。徹夜することもしばしばでした。
独立されるきっかけになったのは何ですか。
最初に入った会社で河川の設計をやらせてもらったら、これがとても面白かった。同じ土木設計でも多種多様な分野があるわけです。例えば橋梁の設計は専門の知識を持って、計算すれば誰がやってもはっきり答えが出ます。だけど、河川の計画はその設計者の総合的判断・把握が大切です。それはなぜかというと、経験工学的要素が多く、計算手法も多様であり河川ごとに最適手法を考慮する必要があるからです。会社を設立したのは、家族のこと、やりがいを感じた河川計画に深く関わりたかったこと、地域に少しでも貢献できればとか、振り返ってみると無鉄砲に思える行動であったように思いますが、これも若さゆえに出来たかなと思います。
独立されてからはいかがでしたか。
昭和51年12月に会社を設立しました。私が27歳のころです。仕事を頼まれても、独立したてで分からないことだらけです。業者指名の手続きなど分からないことは、当時の建設省や島根県の担当者に教えてもらいながら仕事を進めていました。しかし、私がやりがいを感じていた河川設計は、大きな仕事を任され必死でした。昭和54年11月に県と建設省が発表した「斐伊川・神戸川の治水に関する基本計画」は少人数の大隆設計にその多くを任せていただきました。
会社を経営されていて苦労される点はありますか。
コンサルタント業務というのは、何かものができるとか、形に残るものばかりではありませんので、その価値を想像しにくものもあります。これは極端な話ですが、コンサルタント料100万円で、報告書1枚ですなんていうと、そりゃ高いと思われるでしょう。もちろん報告書が1枚で済むことなんてありませんが、ページ数が多ければいいというものではありません。コンサルタント会社として作った計画は、関係者に理解され、納得され、そして実行されなければ意味がありません。ページ数が少なくても、要点が押さえてあり、理解しやすく要求を満たすものであるべきです。
最後に大隆設計が求める人材とはどんな人材ですか。または学生の方にメッセージをお願いします。
今の若い方に伝えたいことは、どんな分野でもいいから特定の分野のエキスパートになれということです。それは業務に限りません。何かを深く掘り下げるとそこからいろいろと派生してくるものなんですよ。例えば、当社がやっている3次元レーザー計量技術ですが、土木建築に限らず、遺跡調査等にも活用されています。オンリーワンの知識なり技術を持っていると、自然と仕事も集まってくるものです。まずは、自分の興味のある分野を突き詰めてみてください。それはのちに自分の大切な財産であり武器になるはずです。
続いて、入社8年目、技術部設計課主任の周藤さんにお話を伺います。

現在はどんな仕事を担当されていますか。
神戸川の河川改修の設計業務を担当しています。
どうして建設コンサルタントの世界に入ったんですか。
大学での専攻が土木設計だったこともあり、就職先の業種はあらかじめこの業種と決めていました。斐川町出身ですので、卒業後は地元に帰りたいと思っていたので、地元企業であり、大学で学んだ知識が活かせるところを探しました。
出雲地域でも建設コンサルタントの業種は多かったのでは。その中で大隆設計に就職を決めたきっかけは何ですか。
河川設計や治水計画などに定評があり、幅広い建設コンサルタントの分野の中で、オンリーワンの技術がひときわ目立っていたからです。その特徴ある会社であることに魅力を感じました。
実際に仕事をしてみていかがでしたか。
大学でも土木設計の基礎を学びましたが、日々の業務で学ぶことは本当に多いです。毎日学び続けなければ仕事はできません。それに、河川の設計は人の命に関わるものです。間違いのない正確な設計技術が必要ですし、景観や環境にも配慮したものを提案して地権者に納得してもらわなくては、大切な土地を提供していただけません。入社して8年目になりますが、仕事をはじめて6~7年経ってやっと一人前になると感じています。
最近はどんな勉強をされましたか。
今年の夏に1級土木施工管理技術検定試験を受けました。今は結果待ちです。私の担当業務は設計ですが、設計した後は、当然その設計に基づいて建設業者が施工します。そのため、施工の知識も必要と思い受験しました。いずれは技術士の資格にも挑戦したいです。
この会社の良いところはどんなところですか。
就職を決めた理由でも話しましたが、特定の分野に強みがあるところです。また、仕事を通じて業務の専門性を高められることがいいところだと思います。
仕事で苦労されることはどんなことですか。
担当する仕事で、年度末や工期の重なるときは残業が多くなり、肉体的にしんどくなります。
プライベートはどんなことをして過ごしていますか。
最近は健康に気を遣っています。自転車を始めました。始めたばかりですが、サイクリングや読書をして気分転換しています。
今後の目標を教えてください。
まずは、現場での打ち合わせのときなど、その場で施工主の質問に即答できるようになりたいです。そのためには、これからもどんどん経験を積んで人から信頼される技術者になりたいですね。
編集後記
二階の事務室は広く、社員の方が大量の書類や図面を広げ忙しそうにしていらっしゃいました。社長の話の中で、ひとつのことを掘り下げ、その分野のエキスパートになることで、仕事や人脈が派生して広がるという話が印象的でした。
株式会社大隆設計
http://www.dairyu-s.co.jp/



